「学習」「学修」の意味と違い
「学習」と「学修」は、同じ読み方でも意味が異なる同音異義語です。
本記事ではその「学習」と「学修」の意味と違いを深掘りし、用例などを交え、使い分けのポイントについて解説していきます。
紛らわしい言葉ですが、使い分けることができれば、表現の幅が広がります。ぜひ参考にしてみてください。
「学習」
「学習」は、「勉強などの知識や、術などを学んで習うこと」や「学校などで計画的・系統的に学ぶこと」という意味を持ちます。
「家庭学習は大切だ」「英語の学習を始める」のように使われます。
「学習」の類義語としては、「学業」「勉強」「修業」などがあります。
「学習」の「学」は「まなぶ」「研究する」という意味を持ち、「習」は「ならう」「まねる」「なれる」「ならわし」という意味を持ちます。
したがって「学習」は、「学び習う」すなわち「知識や術などを学んで習うこと」という意味になります。
「学習」は上記の意味だけではなく、「人間や動物などが経験を通して環境に適応する態度や行動などを身につける」という意味もあり、「対人関係の失敗から学習する」などのように、経験を通じて学ぶことを表します。
さらに現代では「学習」は「AIが読み込んだデータから規則性を見出し、次第にその能力と高めること」という意味もあり、将棋や囲碁のAIソフトが進化していくのも「学習」の成果と言われています。
「学修」
「学修」は「学問を学びおさめる」や「学んで身につける」と意味を持ちます。
「学修計画書を作成する」「学生の学修を支援する」「学修の内容をアウトプットする」などのように使われます。
「学修」の類義語としては、「学業」「学習」「修業」などが挙げられ、「学習」と「学修」は類義語となります。
「学修」の「学」は上述したとおり、「まなぶ」「研究する」という意味を持ち、「修」は「おさめる」という意味を持ちます。
したがって、「学修」は、「学問を学びおさめる」という意味を持ちます。
「学修」は「学習」で得た知識や技術をさらに学び、内容をより専門的に極め、理解を深めるという意味合いがあります。
中等教育(高校)までは「学習」が使用され、高等教育(大学、専門学校、高専等)以降は専門性の高い知識や技能を学び修得するということで「学修」が使用されます。
また「学修」は知識や技術を学ぶだけでなく、学んで身につける(修得する)、すなわちしっかりと理解できたり、修得できている段階です。
以上のように「学習」と「学修」の違いは、「修得する」という意味が含まれている「学修」の方が、より専門的な分野で使われ、知識や技術の理解度も高い段階にあります。
記事の参考文献
- 偏 松村明・三省堂編修所(2019)『大辞林』第四版,三省堂.
- 偏 山田忠雄・柴田武・酒井憲二・倉持保男・上野善道・山田明雄・井島正博・笹原宏之(2011)『新明解国語辞典』第七版,三省堂.
- 編著 北原保雄(2010)『明鏡国語辞典』第二版,大修館書店.
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年11月5日).
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年11月5日).
- 編 一般社団法人共同通信社 (2022). 『記者ハンドブック : 新聞用字用語集』第14版,共同通信社.
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