「一切」と「一再」の違いとは?意味・使い分けをマンガで徹底解説!

「一切」「一再」の意味と違い
「一切」と「一再」の違いとは?の冒頭マンガ
ワニ博士
この記事では、マンガを使ってわかりやすく、「一切」と「一再」の意味や違い、使い分けについて解説するよ。

「一切」と「一再」の違い

「一切」「一再」の意味と違い

「一切」と「一再」という言葉は読み方は同じですが、意味がそれぞれ違う同音異義語です。

「一切」も「一再」も、それぞれ「ならず」を付けて「一切ならず」「一再ならず」という言葉として使うことがあります。

この場合、まったく逆の意味を持つことになりますので注意が必要です。

ワニ博士
違いを理解し、ぜひ自信を持って使い分けられるようになろうね♪

「一切」とは?マンガで使い方をわかりやすく解説

一切

「一切」は、全部、すべて残らずという意味を持ちます。

一切の使い方のマンガ

例えば、

  • この会の一切を取り仕切る」というと、「この会のすべてを取り仕切る
  • 一切を失った」というと、「すべてを失った

という意味になります。

もともと「切」という漢字には「切る」という意味のほかに「すべて」という意味もあるので、「一切」は、「全部、すべて残らず」という意味を持ち、「合」を合わせた「合切」という言葉も「すべて」を表します。

そして、「一切」の下に打ち消しの言葉をつけるとまったく、全然という意味になります。

たとえば、「彼女の事情は一切知らない」というと「彼女の事情はまったく知らない」という意味になるのです。

ワニ博士
「一切」に「ならず」を付けて一切ならずと表現することもあるけれど、これは「すべて」を意味する「一切」に否定の「ならず」が付くことでまったく無いという意味で用いられるよ

「一再」とは?マンガで使い方をわかりやすく解説

一再

「一再」は「一、二度」や「一、二回」という意味を持ちます。

一再の使い方のマンガ

たとえば、「彼女に怒られたのは一再ではない」というと、「怒られたのは一度や二度ではない」という意味になります。

「一切」と同じように「一再」にも否定の「ならず」を付けて「一再ならず」と表現することがあります。

一再ならず」というと、「一度や二度ではない」という意味になります。

ワニ博士
「システムエラーが一再ならず発生している」というと、「エラーが頻繁に起こっている」という意味になるよ。

「一切」と「一再」の使い分け

上述のように、「一切」は、全部、すべて残らずで、「一再」は「一、二度」や「一、二回」を意味します。

「一切」と「一再」の使い分けはとても容易で、文章で使う際は問題ありませんが、同音異義語の特性上、音が同じため会話で使う際は、他の言葉で言いかえるなど、工夫が必要かもしれません。

チェック!
同じ読みでも一切ならず」は「まったく起こらない一再ならず」は「頻繁に起こる逆の意味になるので、耳で聞いて判断するときは、状況を見ながら判断する必要があります。

理解度チェック!「一切」「一再」のクイズ問題

理解度チェックイラストQ1
「〇〇」は、「全部、すべて残らず」という意味を持ちます。〇〇に入る言葉は?

A1
一切

Q2
「彼女の事情は一再知らない」という使い方は正しい?

A2
間違い。正解は、「彼女の事情は一切知らない」です。

ワニ博士
「彼女の事情は一切知らない」というと「彼女の事情はまったく知らない」という意味になるよ。

Q3
一切ならず」は「まったく起こらない」という意味は正しい?

A3
正しい

Q4
「彼女に怒られたのは〇〇ではない」は「怒られたのは一度や二度ではない」という意味です。
〇〇に入る言葉は?

A4
一再

Q5
一切ならず」は「頻繁に起こる」という意味は正しい?

A5
間違い。正解は、「一再ならず」は「頻繁に起こる」という意味です。

ワニ博士
同じ読みでも「一切ならず」は「まったく起こらない」、「一再ならず」は「頻繁に起こる」と逆の意味になるので、耳で聞いて判断するときは、状況を見ながら判断する必要があるよ

記事の参考文献

  • 編 金田一京助 編集代表 深谷圭助(2015) 『例解学習 国語辞典』第十版 小学館
  • 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年8月26日).
  • 編  一般社団法人共同通信社  (2022). 『記者ハンドブック : 新聞用字用語集』第14版,共同通信社.
  • 編 松村明・三省堂編修所(2019)『大辞林』第四版.三省堂.

  • 編著 北原保雄 (2010)『明鏡国語辞典』第二版, 大修館書店

  • 編 山田忠雄・柴田武・酒井憲二・倉持保男・上野善道・山田明雄・井島正博・笹原宏之 (2011)『新明解国語辞典』第七版, 三省堂.

北澤篤史サイト運営者
1984年(昭和59年)、大阪府生まれ。言葉への関心が高じ、「ことわざ」「漢字」「四字熟語」をテーマに複数のウェブサイトを立ち上げる。これらのサイトは、小中学校の教材として利用されるほか、単語カードやタイピングゲームなど多様な形で活用されている。著書に『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社)、『マンガでわかる すごい!ことわざ図鑑〈試験に出る〉』(講談社)がある。

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