「感心」「関心」の意味と違い
「感心」と「関心」は同じ読みをもつ同音異義語ですが、意味の違いや使い方は難しい言葉でもあります。
ただ「感心」と「関心」の漢字に着目すると意味の違いがわかりやすくなってきます。
文中で使うときにはどちらの漢字をあてるのか迷うことも多いと思いますので、今回は「感心」と「関心」の意味と使い方の違いについてお話ししたいと思います。
「感心」
「感心」という言葉には、「すぐれたものによって心を大きく動かされること」や「すぐれたものが心に深く染み入ること」などという意味があります。「彼の絵の美しさに感心した」というと、絵の美しさに心が動かされたことを意味します。
また、「立派な行いや言動に対して褒めたいと思うこと、その気持ち」という意味もあります。「道のゴミを拾うなんて感心な子だ」と表現したときの「感心」には「子どもがゴミを拾う行為に心を動かされ、褒めたい気持ちになった」という意味が込められています。
「感心」の類語には「感動」や「感服」があります。「感動」は「心が動かされること」、「感服」には「心の底から感心すること」という意味があります。
これらの言葉に共通する漢字の「感」の一文字には「心が動くこと」「心に染み入る」という意味がありますので、「感」の字の意味を覚えておくと、下述しますが、「関心」との使い分けを理解しやすいです。
「関心」
「関心」には、「ある物事に興味を持つこと」や「あることを深く知ろうとすること」という意味があります。「関心を持つ」というと「興味を持つ」という意味ですし、「関心がある」というと「もっと知りたい気持ちがある」という意味になります。
「関」という字は、「関わる」という意味を持ち、それに「心」という文字を合わせると、「ある物事に対して心が関わりを持とうとしている」すなわち、「ある物事に興味を持つこと」という意味になります。
「感心」も「関心」も同じ「心」が使われる言葉ではありますが、「感」と「関」の漢字の意味を知ることにより、使い分けもしやすくなります。
記事の参考文献
- 編 金田一京助 編集代表 深谷圭助(2015) 『例解学習 国語辞典』第十版 小学館
- 編 藤堂明保 編集代表 深谷圭助(2014)『例解学習 漢字辞典』第八版 小学館
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年9月6日).
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編 松村明・三省堂編修所(2019)『大辞林』第四版.三省堂.
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編著 北原保雄 (2010)『明鏡国語辞典』第二版, 大修館書店
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編 山田忠雄・柴田武・酒井憲二・倉持保男・上野善道・山田明雄・井島正博・笹原宏之 (2011)『新明解国語辞典』第七版, 三省堂.
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