「改心」「会心」の意味と違い
「改心」と「会心」は同じ「かいしん」と読みますが、違う意味を持つ同音異義語です。「改心」も「会心」も、日常でよく目にする言葉ではありますが、はっきりした意味や違いを答えられる人は多くはないかもしれません。
そこで、本記事では「改心」と「会心」の意味や違いについて解説していきます。 ぜひマスターし、自信を持って使えるようになりましょう。
「改心」
「改心」は「悪い行いを反省し、心を改めること」という意味です。立ち直る、改悛(かいしゅん)などが類義語として挙げられます。「改心して真面目に勉強する」「今までの行いを彼は改心して好青年になった」「父は息子に改心するように言った」などのように使われます。
「改心」の「改」は訓読みで「あらためる」と読み、「直して、より良くする」「それまでの物事を変える、直す」という意味を持ちます。この「改」の字に「心」を合わせることで「心をより良くする」すなわち、「自分の行ないを反省して心を変える」という意味になります。
「改心」は、自分がした行いを反省して悔い改める場合は「改心する」や「改心を誓う」などのように使い、誰かの心を改めさせようとするときは「悪人を改心させる」というように使います。
「改心」は上述のように「悪かった点を反省し、良い方向に変わること」に焦点を当てていますが、下述する「会心」は全く異なる場面で使われる言葉です。
「会心」
「会心」には「思った通りの出来栄えに心から満足すること」「心にかない満足する」という意味があります。満足、充足などが類義語として挙げられます。「3年がかりの彼の会心の作だ」「敵に会心の一撃を喰らわせた」「仕事が上手くいき彼は会心の笑みを浮かべた」などのように使われます。
「会心」の「会」には「人と人とが会う」という意味以外に「心にかなう」という意味があります。すなわち「会心」は「心から満足すること」「心にかない満足する」という意味になります。
「会心」は上述のように「会心の作」や「会心の笑みを浮かべる」「会心の一撃」などという使い方をし、「会心の作」は心から満足できるほどの作品、「会心の笑み」は心の底から満足してこぼれ出る笑み、「会心の一撃」は相手に通常の攻撃より大きなダメージを与えることです。
「改心」と比較して「会心」は、漢字を見てイメージがわく言葉ではありませんが、「会」の字の意味を覚えておくと理解しやすくなるでしょう。
記事の参考文献
- 編 金田一京助 編集代表 深谷圭助(2015) 『例解学習 国語辞典』第十版 小学館
- 編 藤堂明保 編集代表 深谷圭助(2014)『例解学習 漢字辞典』第八版 小学館
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年9月12日).
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編 松村明・三省堂編修所(2019)『大辞林』第四版.三省堂.
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編著 北原保雄 (2010)『明鏡国語辞典』第二版, 大修館書店
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編 山田忠雄・柴田武・酒井憲二・倉持保男・上野善道・山田明雄・井島正博・笹原宏之 (2011)『新明解国語辞典』第七版, 三省堂.
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