「改編」と「改変」の意味と違い
「改編」と「改変」は、いずれも「かいへん」と読み、「変更すること」という共通点はありますが、それぞれの意味と使われる場面や目的が異なります。
日常生活やビジネスシーンなどで使われていますが、どのような違いがあるのでしょうか。
本記事ではその「改編」と「改変」の意味と違いを深掘りし、用例などを通じて、使い分けのポイントについて解説していきます。
紛らわしい言葉ですが、使い分けることができれば、表現の幅が広がりますので、ぜひ参考にしてみてください。
「改編」
「改編」は、「一度編成・編集したものを改めて編成・編集し直すこと」という意味を持ちます。
「改編」の「改」は、「あらためる」「古いものをやめて新しいものに変える」の意味があり、「編」は、「あむ」「組み入れる」「文章を集めて書物を作る」という意味があります。
したがって「改編」は、「改めて組み立て直すこと」すなわち「一度編成・編集したものを改めて編成・編集し直すこと」という意味になります。
なお、「改編」の類義語は、「修正」「変更」「再構築」などが挙げられ、「改編」は「会社の業績向上のため、組織の改編が行われる」「テレビドラマが、原作と異なるストーリーに改編される」「教科書の内容が、時代の流れに合わせて改編される」のように使われます。
上述のように「改編」は、既に編成したものに手を加えて組み立て直すことや書物などを編集し直すことを意味し、文学作品や音楽、映画、組織などの形式や構造などを新たな形や内容に変更する際に使われます。
また「改編」は、必ずしも基本的な構造や内容を変えてしまうわけではなく、既に編集や編成されたものの更新・修正や改善を目的としています。
「改変」
「改変」は、「内容を改めること」「物事を改めて、元と違った形にすること」という意味を持ちます。
「改変」の「改」は上述のとおり、「あらためる」「古いものをやめて新しいものに変える」の意味があり、「変」は、「変わる」「それまでとは別の状態になる」という意味があります。
したがって「改変」は、「何かを変えて改めること」すなわち「物事を改めて、元と違った形にすること」という意味になります。
なお「改変」の類義語は、「維新」「改革」「変革」などがあり、「改変」は、「プログラムのコードを改変して、バクを修正する」「原作小説を映画化する際、大幅に改変されることがある」「最新の研究に基づき、教科書の内容が改変された」のように使われます。
「改変」は、元の形や内容を大きく変更し、新しい形や状態にすることを意味し、制度や記載内容などを根本的に見直し、その過程でより良いものを求めます。
また「改変」は、制度や記載内容などを根本的に見直すということで、文脈によっては大規模な変更を意味する場合もあり、広く、かつ大きく既存のものを変更・修正することを指します。
以上のように「改編」は、「一度編成・編集したものを改めて編成・編集し直すこと」という意味があり、編成や構成をし直し、新たな形や内容に変えることを表しますが、基本的な構造や内容を変えるわけではありません。
一方「改変」は、「内容を改めること」という意味があり、元の状態から内容や性質そのものを改めて、変えることを表します。
記事の参考文献
- 偏 松村明・三省堂編修所(2019)『大辞林』第四版,三省堂.
- 偏 山田忠雄・柴田武・酒井憲二・倉持保男・上野善道・山田明雄・井島正博・笹原宏之(2011)『新明解国語辞典』第七版,三省堂.
- 編著 北原保雄(2010)『明鏡国語辞典』第二版,大修館書店.
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2025年1月9日).
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2025年1月9日).
- 編 一般社団法人共同通信社 (2022). 『記者ハンドブック : 新聞用字用語集』第14版,共同通信社.
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