「指示」「支持」の意味と違い

「指示」「支持」の意味と違い

「指示」「支持」の意味と違い

「指示」と「支持」は「しじ」と同じ読み方をしますが、意味が異なる「同音異義語」です。「指示」と「支持」は日常でもよく使われる言葉なので、それぞれの意味を確認し、正しい使い方を知っておきたいですね。

本記事では「指示」と「支持」の違いについて例文を交えて詳しく解説していきます。 使うシーンの違いなどをしっかりと確認しておきましょう。

「指示」

指示

「指示」は「物事を指などで指し示すこと」や「人などに指図すること、具体的にしなければいけないことを指図すること」の意味があります。「目的の場所を地図上で指示する」「本日中に行くよう指示する」などのように使われます。類義語としては、「指図」「指令」などがあります。

「指示」の「指」は訓読みで「さす」と読み、言葉どおり「さす。」「ゆびさす。」「さし示す。」という意味を持ちます。「示」は訓読みで「しめす」と読み、この字も言葉どおり「しめす。」「さししめす。」「おしえる」という意味を持ちます。したがって「指示」は「物事を指し示すこと」という意味になります。

「指示」は上述のように、具体的に説明する代わりや説明の補足で、「指などで実際に指し示す」といった意味と、「しなければならないことを指図したり、命令する」といった意味があり、文中では文脈の前後でどちらの意味か判断する必要があります。

一方の「支持」は「指示」とは違って「支える」というニュアンスを持つ言葉です。

「支持」

支持

「支持」は「物が倒れないように保ち、支えること」「思想や意見などに賛同して、後援すること」を意味します。「老人の身体を手で支持する」「政党を支持する」などのように使われます。類義語としては「賛同」「同意」「賛意」などが挙げられます。

「支持」の「支」は訓読みで「ささえる」と読み、言葉どおり「ささえる」や「たすける」という意味を持ちます。「持」は訓読みで「もつ」と読み、この字も言葉どおり「もつ」という意味を持ちます。したがって「支持」は「物事をたすけたり支え持つこと」すなわち「倒れないように、支えること」「賛同して、後援すること」という意味になります。

「支持」には上述のように、物理的に人や物などを支えるという意味と、政治のニュースでよく目にする、意見や思想に賛同して、後援するという意味があります。

このように「指示」と「支持」はどちらも「しじ」という読み方ですが、「指示」は示したり、命令したりといった行動を表し、「支持」は支える、助けるといった行動を表し、全く違う意味を持ちます。

記事の参考文献

  • 編 松村明・三省堂編修所(2019)『大辞林』第四版.三省堂.
  • 編 山田忠雄・柴田武・酒井憲二・倉持保男・上野善道・山田明雄・井島正博・笹原宏之 (2011)『新明解国語辞典』第七版三省堂.
  • 編著 北原保雄 (2010)『明鏡国語辞典』第二版大修館書店

  • 小学館.『デジタル大辞泉』. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年9月20日).
  • 公益財団法人日本漢字能力検定協会.『漢字ペディア』.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年9月20日).