「威徳」と「遺徳」の違いとは?意味・使い分けをマンガで徹底解説!

「威徳」「遺徳」の意味と違い
「威徳」と「遺徳」の違いとは?の冒頭マンガ
ワニ博士
この記事では「威徳」と「遺徳」の意味や違い、使い分けについて解説するよ。

「威徳」と「遺徳」の違い

「威徳」「遺徳」の意味と違い

「威徳」と「遺徳」は同じ読み方で、どちらも「徳」という字を使っているため、混同しやすい言葉です。

使い分けに困った経験のある人もいるかもしれませんが、この2つには明確な違いがあります。

日常の様々なシーンでよく使う表現なので、正しい使い方を確認しておきましょう。

ワニ博士
違いを理解し、ぜひ自信を持って使い分けられるようになろうね♪

「威徳」とは?マンガで使い方をわかりやすく解説

威徳

「威徳」は「威厳と人徳を兼ね備えていること」「威厳や尊敬を伴う徳」「厳かで人から慕われる徳」という意味を持ちます。

威徳の使い方のマンガ
  • その王は、民衆から深い尊敬を集める威徳を備えている
  • リーダーの威徳により組織が一つにまとまった

などのように使われます。

「威徳」の「威」は「人を恐れさせる力」「おごそかな」「いかめしい」「おびやかす」という意味を持ちます。

「徳」は「立派な行い」「品性」「すぐれた人格者」「恩恵」という意味を持ちます。

したがって「威徳」は「おごそかで徳が高い」という意味になります。

ワニ博士
「威徳」と「遺徳」はどちらも、その人の人格や行動が人々に与えた深い影響を表す言葉で、「威徳」は生きている人物、特に権力者や指導者に対して使われる言葉だよ。一方、「遺徳」は故人に対して使われる言葉になるよ。

「遺徳」とは?マンガで使い方をわかりやすく解説

遺徳

「遺徳」は「死んだ人が残した徳」「後世に残る恩徳」「亡くなった人の良い行いや教え」という意味を持ちます。

遺徳の使い方のマンガ
  • 遺徳をたたえて、記念式典が行われた
  • 先代の遺徳を偲ぶ会が行われた
  • 彼の遺徳は現在も多くの人々に影響を与えている

などのように使われます。

「遺徳」の「遺」は「残る」「死後に残す」「置き忘れる」という意味を持ちます。

「徳」は上述したとおり「立派な行い」「品性」「すぐれた人格者」「恩恵」という意味を持ちます。

したがって「遺徳」は「(故人が)残した徳・恩恵」という意味になります。

ワニ博士
「遺徳」は亡くなった人の品性や善行をしのび、故人に対して敬意を表するときに使われるよ。

「威徳」と「遺徳」の使い分け

「威徳」「遺徳」はどちらも「いとく」と読む、同音異義語ですが、下述のように明確な意味の違いがあります。

チェック!

威徳」は威厳や尊敬を伴った徳で、生きている人が持つ力や品格
遺徳」は故人が生前に示した徳や功績で、亡くなった後に評価され、感謝されるものを指します。

理解度チェック!「威徳」「遺徳」のクイズ問題

理解度チェックイラスト

Q1
「リーダーの遺徳により組織が一つにまとまった」という使い方は正しい?

A1
間違い。正解は、「リーダーの威徳により組織が一つにまとまった」です。

ワニ博士
「威徳」は生きている人物、特に権力者や指導者に対して使われる言葉だよ。一方、「遺徳」は故人に対して使われる言葉になるよ。

Q2
「〇〇」は「おごそかで徳が高い」という意味です。〇〇に入る言葉は「威徳」と「遺徳」どちら

A2
威徳

Q3
「先代の遺徳を偲ぶ会が行われた」という使い方は正しい?

A3
正しい

Q4
「〇〇」は、「(故人が)残した徳・恩恵」という意味です。〇〇に入る言葉は「威徳」と「遺徳」どちら

A4
遺徳

Q5
「その王は、民衆から深い尊敬を集める威徳を備えている」という使い方は正しい?

A5
正しい

ワニ博士
威徳」は威厳や尊敬を伴った徳で、生きている人が持つ力や品格を指すよ。一方、「遺徳」は故人が生前に示した徳や功績で、亡くなった後に評価され、感謝されるものを指すよ

記事の参考文献

  • 編 藤堂 明保・松本 昭・竹田 晃・加納 喜光・ (2001)『漢字源』改訂新版, Gakken.
  • 公益財団法人日本漢字能力検定協会.『漢字ペディア』.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年8月28日).
  • 編 新村 出 (2008)『広辞苑』第六版, 岩波書店.
  • 編 沖森 卓也・中村 幸弘(2015).『ベネッセ表現読解国語辞典』
  • 編  一般社団法人共同通信社  (2022). 『記者ハンドブック : 新聞用字用語集』第14版,共同通信社.
  • 小学館.『デジタル大辞泉』. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年8月29日).
北澤篤史サイト運営者
1984年(昭和59年)、大阪府生まれ。言葉への関心が高じ、「ことわざ」「漢字」「四字熟語」をテーマに複数のウェブサイトを立ち上げる。これらのサイトは、小中学校の教材として利用されるほか、単語カードやタイピングゲームなど多様な形で活用されている。著書に『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社)、『マンガでわかる すごい!ことわざ図鑑〈試験に出る〉』(講談社)がある。

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