「発行」と「発効」の違い
「発行」「発効」は、日常のさまざまなシーンで登場する同音異義語です。
しかし、いずれも漠然とした意味合いは知っているものの、詳しい意味や使い分けを説明するとなると、意外に難しいことに気づきます。
これらの言葉にはどのような違いがあるのでしょうか。
「発行」とは?マンガで使い方をわかりやすく解説
「発行」は「書籍や新聞などを印刷して世に出すこと」「証明書・貨幣などを作って世に通用させること」「はやること」という意味を持ちます。
- 「週刊誌を発行する」
- 「パスポートを発行する」
などのように使われます。
「発行」の「発」は「外部・世間に向けて出す」という意味を持ちます。
「行」は「書物を世に出す」という意味を持ちます。
したがって「発行」は「書籍・新聞などを世に出す」という意味になります。
「発効」とは?マンガで使い方をわかりやすく解説
「発効」は「条約・法律などが効力をもつようになること」という意味を持ちます。
対義語は「失効」となります。
- 「この条約は今月1日から発効となる」
- 「規則が発効する」
などのように使われます。
「発効」の「発」は上述したとおり、「外部・世間に向けて出す」という意味を持ちます。
「効」は訓読みで「きく」と読み、「力を発揮した結果」「ききめ」という意味を持ちます。
したがって「発効」は「規則などの効力が発生すること」という意味になります。
「発効」は制定された条約、法律などが、特定の日付や条件で効力を発揮し始めることに対して使われます。
「発行」と「発効」の使い分け
「発行」「発効」は同じ読みですが意味が異なるため、使い分けが可能になっています。
理解度チェック!「発行」「発効」のクイズ問題
Q1
「週刊誌を発効する」という使い方は正しい?
A1
間違い。正解は「週刊誌を発行する」です。
Q2
「〇〇」は「書籍や新聞などを印刷して世に出すこと」「証明書・貨幣などを作って世に通用させること」「はやること」を意味する言葉です。「〇〇」に入る言葉は「発行」と「発効」どちら?
A2
発行
Q3
「この条約は今月1日から発行となる」という使い方は正しい?
A3
間違い。正解は「この条約は今月1日から発効となる」です。
Q4
「〇〇」は「条約・法律などが効力をもつようになること」を意味する言葉です。「〇〇」に入る言葉は「発行」と「発効」どちら?
A4
発効
Q5
「パスポートを発行する」という使い方は正しい?
A5
正しい
記事の参考文献
- 編 藤堂 明保・松本 昭・竹田 晃・加納 喜光・ (2001)『漢字源』改訂新版, Gakken.
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.『漢字ペディア』.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年10月20日).
- 編 新村 出 (2008)『広辞苑』第六版, 岩波書店.
- 編 沖森 卓也・中村 幸弘(2015).『ベネッセ表現読解国語辞典』
- 編 一般社団法人共同通信社 (2022). 『記者ハンドブック : 新聞用字用語集』第14版,共同通信社.
- 小学館.『デジタル大辞泉』. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年10月20日).