「一角」「一画」の意味と違い

「一角」「一画」の意味と違い

「一角」「一画」の意味と違い

「一角」と「一画」は日常的によく使われる言葉です。どちらも「いっかく」と読みますが、意味が異なるため、メールや手紙など文章で伝える際に正しく使い分ける必要があります。この2つの言葉を正確に使い分けられているでしょうか。

本記事では「一角」「一画」の意味と違い、用例などを深掘りしていきます。文脈に応じて使い分けることができると表現の幅広がります。ぜひ参考にしてみてください。

「一角」

一角

「一角」は「一つのかど」「一つのすみ」「片隅」「一本のつの」という意味があります。「公園の一角にベンチがある」「ビルの一角にある喫茶店」「繁華街の一角」などのように使われます。

「一角」の類義語としては、「隅っこ」「コーナー」などがあります。

「一角」の「一」は「ひとつ」「あるひとつの」という意味を持ちます。「角」は「かど」「すみ」という意味を持ちます。したがって「一角」は「一つのすみ」「一つのかど」という意味になります。

「一角」は、一部分や一つの場所という意味で、ある領域の一部や角、隅を指す言葉です。また、ある物事の中の重要な一部分や要素を示す場合に、「氷山の一角」など比喩的に使用されることもあります。

また「一本のつの」は文字どおり、「一角獣」のように動物など生き物のツノを表します。

「一画」

一画

「一画」は「一区切り」「漢字の一つの字画」という意味を持ちます。「漢字の一画を丁寧に書く」「分譲地の一画を購入した」などのように使われます。

「一画」の「一」は上述したとおり、「ひとつ」「あるひとつの」という意味を持ちます。「画」は「かぎる」「くぎる」「さかい」「漢字を構成する点や線」という意味を持ちます。したがって「一画」は「ひとつの区切り・堺」「漢字の一つの線(字画)」という意味になります。

「一画」は、漢字の構成要素の一筆や一つの線を指します。また、土地などの「あるひとつの区画」について、具体的に範囲を表現する際にも「一画」が用いられます。

このように、「一角」と「一画」は、どちらも「一部分」という意味ですが、ニュアンスが異なります。「一角」は、より広義で、場所や要素の一部を表すのに対し、「一画」はより具体的な範囲を表しています。文脈に合わせて使い分けることが重要です。

記事の参考文献

  • 編 藤堂 明保・松本 昭・竹田 晃・加納 喜光・ (2001)『漢字源』改訂新版, Gakken.
  • 公益財団法人日本漢字能力検定協会.『漢字ペディア』.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年10月10日).
  • 編 新村 出 (2008)『広辞苑』第六版, 岩波書店.
  • 編 沖森 卓也・中村 幸弘(2015).『ベネッセ表現読解国語辞典』
  • 編  一般社団法人共同通信社  (2022). 『記者ハンドブック : 新聞用字用語集』第14版,共同通信社.
  • 小学館.『デジタル大辞泉』. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年10月10日).
北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)