
「事態」と「自体」の違い

「事態」と「自体」は、同じ読み方でも意味が異なる同音異義語です。
そのニュアンスや使い方には微妙な違いがあるので、混同しないようにそれぞれの意味をしっかりと把握しましょう。
紛らわしい言葉ですが、使い分けることができれば、表現の幅が広がります。

「事態」とは?マンガで使い方をわかりやすく解説

「事態」は「事柄のありさまや成り行き」「物事の様子や成り行き」という意味を持ちます。
「事態」の「事」は「できごと」「ことがら」「しごと」という意味があり、「態」は「ありさま」「すがた」「ようす」という意味があります。
したがって「事態」は、「事柄のありさまや成り行き」という意味になります。

「事態」は
- 「これは由々しき事態だ」
- 「非常事態に陥る前に対策を立てよう」
- 「事態が収束するのを祈ろう」
のように用いられ、「事態」の対義語には「状勢」「状況」「境遇」「時局」などが挙げられます。
このように、「事態」は、「物事の状態・状況」を指す言葉で、あまり良くない状態を表すときに使われることが多いです。

「自体」とは?マンガで使い方をわかりやすく解説

「自体」は、「それ自身」「それそのもの」という意味を持ちます。
「自体」の「自」は「おのれ」「自分で」「ひとりで」という意味があり、「体」は「からだ」「かたち」「ようす」という意味があります。
したがって「自体」は、「おのれのようす」すなわち「それ自身」「それそのもの」という意味になります。

「自体」は
- 「アイデア自体は悪くない」
- 「そもそも制度自体が上手く機能していない」
- 「街自体は綺麗に見えるが、衛生面はそんなに良くない」
のように用いられ、「自体」の類義語には「実体」「実態」「本性」などが挙げられます。
このように「自体」は、そのもの自身を指す言葉で、例文のように「アイデア自体」「制度自体」のように、名詞の後についてその意味を強める役割を担っています。

「事態」と「自体」の使い分け
「事態」と「自体」は、いずれも「じたい」と読みますが、それぞれの意味と使われ方には違いがあります。
「事態」は、「事柄のありさまや成り行き」という意味があり、あまり良くない状態を表すときに使われることが多いです。
一方「自体」は「それ自身」「それそのもの」という意味があり、名詞の後についてその意味を強める役割を担っています。
理解度チェック!「事態」「自体」のクイズ問題

Q1
「〇〇」は「事柄のありさまや成り行き」「物事の様子や成り行き」という意味を持つ言葉です。「〇〇」に入る言葉は「事態」と「自体」どちら?
A1
事態
Q2
「非常自体に陥る前に対策を立てよう」という意味は正しい?
A2
間違い。正解は「非常事態に陥る前に対策を立てよう」です。
Q3
「〇〇」の類義語には「実体」「実態」「本性」などが挙げられます。「〇〇」に入る言葉は「事態」と「自体」どちら?
A3
自体
Q4
「街自体は綺麗に見えるが、衛生面はそんなに良くない」という使い方は正しい?
A4
正しい
Q5
「事態が収束するのを祈ろう」という使い方は正しい?
A5
正しい

「事態」は、「事柄のありさまや成り行き」という意味があり、あまり良くない状態を表すときに使われることが多いよ。一方「自体」は「それ自身」「それそのもの」という意味があり、名詞の後についてその意味を強める役割を担っているんだ。
記事の参考文献
- 編 山田忠雄、柴田武、酒井憲二、倉持保男、山田明雄、上野善道、井島正博、笹原宏之 (2012)『新明解国語辞典』第七版, 三省堂.
- 著 北原 保雄(2011-2019)『明鏡国語辞典』第二版,大修館書店.
- 編 新村出 (2018,2019)『広辞苑』第七版, 岩波書店.
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2025年3月22日).
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2025年3月22日).
- 編 一般社団法人共同通信社 (2022). 『記者ハンドブック : 新聞用字用語集』第14版,共同通信社.