「形式」と「型式」の違いと意味

「形式」と「型式」の違いと意味

「形式」と「型式」は、同じ読み方でも意味が異なる同音異義語です。

そのニュアンスや使い方には微妙な違いがあるので、混同しないようにそれぞれの意味をしっかりと把握しましょう。

本記事ではその「形式」と「型式」の意味と違いを深掘りし、用例などを通じて、使い分けのポイントについて解説していきます。

紛らわしい言葉ですが、使い分けることができれば、表現の幅が広がりますので、ぜひ参考にしてみてください。

「形式」の意味

「形式」は「表に現れた形」「定まっている形や一定の手順・方法」「内容が伴わず、うわべだけのこと」という3つの意味を持ちます。

「形式」の「形」は「かた」「かたち」「あらわれる」という意味があり、「式」は「きまり」「やり方」「一定のかた」という意味があります。

したがって「形式」は、「あらわれる型ややり方」という意味になります。

しかし実際は、「表に現れた形」「定まっている形や一定の手順・方法」「内容が伴わず、うわべだけのこと」という意味で使われるので、若干の相違がある点に注意が必要です。

「形式」の類義語と例文

「形式」の類義語は「体裁」「体式」「公式」などが挙げられます。

「形式」は「ピッタリとした形式のシャツがよく売れている」「形式にとらわれない自由なスタイルに憧れる」「クイズ形式で出題される教材なので面白い」のように用いられます。

「形式」とは

このように、「形式」とは、見た目の形や手続きなどのやり方を指す言葉で、物の見た目や骨組み、物事のルールを表すときに使われます。

つまり、「形式＝フォーマット」です。

なお、「形式」は下述する「型式」と違い、機械以外の物や実体のない物に対して使われる言葉です。

「型式」の意味

「型式」は、「自動車や機械器具などの内部構造や外形を特徴づける一つ一つの型」「自動車・飛行機などで、その構造・設備・外形などによって分類される特定の型」という意味を持ちます。

「型式」の「型」は「かた」「もとになる形」「もはんとなるもの」という意味があり、「式」は上述の通り「きまり」「やり方」「一定のかた」という意味があります。

したがって「型式」は、漢字だけで考えると、「もはんとなる型」という意味になります。

しかし実際は、「自動車・飛行機などで、その構造・設備・外形などによって分類される特定の型」という意味で使われるので、若干の相違がある点に注意が必要です。

「型式」の類義語と例文

「型式」の類義語は、「年式」「タイプ」「モデル」などが挙げられます。

「型式」は「車の型式が変更になった」「比較的安価で使いやすい型式のパソコンが人気だ」「購入前に型式を確認することを忘れないように」のように用いられます。

「型式」とは

「型式」とは、「機械製品を設計・開発する際に決められる特定の型」を表す言葉で、記号や番号で構造・性能などの違いを分類するために使われます。

つまり、「型式＝モデル」です。

なお、「型式」は「形式」と混同するのを避けるために、「カタシキ」と読まれることもあります。

「形式」と「型式」の違い

以上のように「形式」は、「表に現れた形」「定まっている形や一定の手順・方法」「内容が伴わず、うわべだけのこと」という3つの意味を持つ言葉で、物の見た目や骨組み、物事のルールを表すときに使われます。

一方「型式」は「自動車・飛行機などで、その構造・設備・外形などによって分類される特定の型」という意味を持つ言葉で、記号や番号で構造・性能などの違いを分類するために使われます。

記事の参考文献

北澤篤史サイト責任者

漢字熟語・ことわざの専門家。ことわざ学会理事。著書に『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』『〈試験に出る〉マンガでわかる おもしろい四字熟語図鑑』(共に講談社)がある。ことわざ学会研究フォーラムでは、「備えあれば憂いなし：ことわざを通して意識づける災害時の命を守る知恵」「WEB上でのことわざ探求：人々が何を知りたいのか」などをテーマに研究報告を行う。