「起点」「基点」の意味と違い
「起点」と「基点」。これらは同じ読み方でも意味が異なる「同音異義語」です。他にも「創造・想像」や「意義・異議」などがあります。これらは意味を混同しやすく、文章を書く際に、どちらを使うべきか頭を悩ませた経験があるかもしれません。
本記事では、「起点」と「基点」の意味や使い分けについて解説していきます。違いを理解し、ぜひ自信を持って使い分けられるようになりましょう。
「起点」
「起点」は「物事のはじまるところ」「起こり」という意味があります。対義語は「終点」となります。「マラソンコースの起点は駅前だ」「プロジェクトの成功はこの会議を起点に始まった」などのように使われます。
「起点」の「起」は訓読みで「おきる」「おこる」「おこす」と読み、「おこる」「おこり」「はじまり」という意味になります。「点」は「特定の位置や箇所」という意味を持ちます。したがって「起点」は「はじまりのところ」という意味になります。
「起点」は、物事が始まる場所や出発点を指します。具体的にどこから物事が始まるか、その出発地点としての意味合いが強くなります。移動や出来事の始まりを表現する際に使われることが多くあります。
通常「起点」は一点からはじまって展開していくため、柔軟性はありません。
「基点」
「基点」は「物事のもとになる点」、特に「距離をはかるときの基準・基礎となる点」という意味があります。「地図上のこの地点を基点として測量が行われる」「この理論の基点は、人間の心理に基づいている」などのように使われます。
「基点」の「基」は訓読みで「もとい」と読み、「もとづく」「もとい」「もと」「よりどころ」という意味を持ちます。「点」は上述したとおり「特定の位置や箇所」という意味を持ちます。したがって「基点」は「もとになる場所・位置」という意味になります。
「基点」は基準として考える位置や原点という意味で使われ、他の場所や状況を評価するための参照点として機能します。物理的な場所や、抽象的な基準として点として使われます。「起点」と比較すると「基点」は状況や目的に応じて変動する可能性があり、より柔軟になっています。
以上のように「起点」「基点」は同じ読みですがニュアンスが異なります。「起点」は物事が始まる場所や出発点を指し、「基点」は基準としての位置や点を指します。文脈に合わせて適切に選択することが重要です。
記事の参考文献
- 編 藤堂 明保・松本 昭・竹田 晃・加納 喜光・ (2001)『漢字源』改訂新版, Gakken.
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.『漢字ペディア』.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年10月7日).
- 編 新村 出 (2008)『広辞苑』第六版, 岩波書店.
- 編 沖森 卓也・中村 幸弘(2015).『ベネッセ表現読解国語辞典』
- 編 一般社団法人共同通信社 (2022). 『記者ハンドブック : 新聞用字用語集』第14版,共同通信社.
- 小学館.『デジタル大辞泉』. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年10月7日).
コメントを残す