「構成」「校正」の意味と違い

「構成」「校正」の意味と違い

「構成」「校正」の意味と違い

構成」と「校正」は、同じ読み方でも意味が異なる同音異義語です。

それぞれの言葉は、日常生活やビジネスシーンなどで多く使われています。どのような違いがあるのでしょうか。

本記事ではその「構成」と「校正」の意味と違いを深掘りし、用例などを通じて、使い分けのポイントについて解説していきます。

紛らわしい言葉ですが、使い分けることができれば、表現の幅が広がります。ぜひ参考にしてみてください。

「構成」

「構成」

構成」は、「いくつかの要素を組み立てて全体を成り立たせること」「文芸・音楽・造形芸術などで、表現上の諸要素を独自の手法で組み立てて作品にすること」という意味を持ちます。

構成」の類義語としては、「組み立て」「構造」「組成」「編成」などがあります。

構成」の「構」は、「かまえる」「組み立てる」の意味を持ち、「成」は「できあがる」「成し遂げる」「作り上げる」という意味を持ちます。

したがって「構成」は、「何かを組み立てて作り上げること」すなわち「いくつかの要素を組み立てて全体を成り立たせること」という意味になります。

「パソコンは、数多くの部品から構成されている」「文章の構成は、起承転結を意識して書くこと」「プロジェクトチームの構成メンバーを選考する」のように使われます。

構成」は、ある目的に従って異なる役割を果たしている要素を集め、一つのまとまりのあるものに組み立てることです。

なお「構成」は、文章や論文などの構成、音楽や映像作品の構成、組織やグループの構成など様々な場面で使われます。

「校正」

「校正」

校正」は、「比べ合わせて文字の誤りを正すこと」「校正刷り(仮刷り)と原稿を照合し、文字や内容の誤りを正し、体裁を整えること」という意味を持ちます。

校正」の類義語としては、「改訂」「校閲」「勧校」などがあります。

校正」の「校」は、「比べる」「二つを見比べて正す」の意味を持ち、「正」は「正しい」「間違いない」「間違いがなく正しい」という意味を持ちます。

したがって「校正」は、「二つのものを見比べて、間違いを正すこと」すなわち「比べ合わせて文字の誤りを正すこと」という意味になります。

「校正は、日本語に精通しなければ出来ない仕事だ」「本を出版前には必ず校正を行い、誤字・脱字を確認する」「ポスターの色彩や配置を校正して印刷する」のように使われます。

校正」は、原稿と印刷前の資料やデータなどを照合しながら、文章や印刷物などの誤字・脱字や文法の間違いをチェックし、体裁が整うように修正する作業です。

句読点の位置や誤った言葉の修正、表記の統一なども確認します。

なお「校正」には、「測定器などの誤差を基準に照らして補正すること」という意味もあり、測定値とそれに対応する国際標準の値などの関係を確認し、必要に応じて調整や補正を行うことを指します。

以上のように「構成」は、「何かを組み立てて作り上げること」を意味し、文章や作品、組織などを作るためにそれぞれの要素について、どの順序で組み立てていくかを決めて、成り立たせることです。

校正」は、「比べ合わせて文字の誤りを正すこと」を意味し、主に出版物の正確さを確保するため、文章や内容の誤りを修正・確認する作業となります。

記事の参考文献

  • 偏 松村明・三省堂編修所(2019)『大辞林』第四版,三省堂.
  • 偏 山田忠雄・柴田武・酒井憲二・倉持保男・上野善道・山田明雄・井島正博・笹原宏之(2011)『新明解国語辞典』第七版,三省堂.
  • 編著 北原保雄(2010)『明鏡国語辞典』第二版,大修館書店.
  • 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年12月17日).
  • 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年12月17日).
  • 編  一般社団法人共同通信社  (2022). 『記者ハンドブック : 新聞用字用語集』第14版,共同通信社.
北澤篤史サイト運営者
1984年(昭和59年)、大阪府生まれ。言葉への関心が高じ、「ことわざ」「漢字」「四字熟語」をテーマに複数のウェブサイトを立ち上げる。これらのサイトは、小中学校の教材として利用されるほか、単語カードやタイピングゲームなど多様な形で活用されている。著書に『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社)、『マンガでわかる すごい!ことわざ図鑑〈試験に出る〉』(講談社)がある。