「更生」と「更正」の意味と違い
「更生」と「更正」は、いずれも「こうせい」と読み、「正しい状態にする」という広義の意味での共通点はありますが、それぞれの意味と使われる場面が異なります。
日常生活やビジネスシーンなどでよく見聞きしますが、どのような違いがあるのでしょうか。
本記事ではその「更生」と「更正」の意味と違いを深掘りし、用例などを通じて、使い分けのポイントについて解説していきます。
紛らわしい言葉ですが、使い分けることができれば、表現の幅が広がりますので、ぜひ参考にしてみてください。
「更生」

「更生」は、「生き返ること」「立ち直ること」という意味を持ちます。
「更生」の「更」は、「かわる」「改める」「入れかわる」「蘇る」の意味があり、「生」は、「生きる」「いかす」「生まれる」という意味があります。
したがって「更生」は、「生まれかわること」すなわち「生き返ること」「立ち直ること」という意味になります。
なお、「更生」の類義語は、「再生」「回復」「再起」「起死回生」などが挙げられ、「更生」は「会社は経営危機から更生を図っている」「彼は更生施設で支援を受けた」「古着を更生して販売する」のように使われます。
「更生」は、本来は「生きかえる、よみがえる」という意味で、蘇生(そせい)や再生と同義であり、「新しく生まれ変わる」といったニュアンスを持ち、そこから転じて、「立ち直る」などの複数の意味で用いられています。
2つ目の意味は、「精神的・社会的に好ましくない状態から正常な状態に立ち直ること」という意味を持ち、主に人の行動や人格に関する再出発や改善を指し、「犯罪や非行から更生し、立ち直る」や「会社を更生し、経営を立て直す」などのように、悪い状態から立ち直る際に使われます。
また、人が過去の悪い行いや習慣を改め、正しい道に戻ることを指し、「更生施設入って社会復帰した」のように、人が自らの意志で立ち直ること、支援団体が助ける活動を表現する際によく使用されます。
3つ目の意味は、「役に立たなくなったものに手を入れて、もう一度使えるようにすること」という意味合いで、「更生紙」「中古家電を更生する」のように使われ、役に立たなくなった物や使えなくなった物を修理・加工し、再び役立つようにすることを表します。
「更正」
「更正」は、「改めて正しくすること」「間違いを直すこと」という意味を持ちます。
「更正」の「更」は上述のとおり、「かわる」「改める」「入れかわる」の意味があり、「正」は、「正しい」「正す」「正しくする」という意味があります。
したがって「更正」は、「改め正すこと」すなわち「改めて正しくすること」「間違いを直すこと」という意味になります。
なお「更正」の類義語は、「訂正」「修正」「是正」などがあり、「更正」は、「確定申告の誤りを税務署で更正手続きを行う」「住民票の記載ミスを更正するために役所に出向く」「登記内容の修正のため、司法書士に更正を依頼した」のように使われます。
「更正」は上述のとおり、「改めて正しくすること」「間違いを直すこと」「修正する」という意味で、正しくないものや、望ましくないものの内容を改めて直すことを言います。
主に文書や数字の間違いを訂正する場合に使われ、税の申告や登記などの公的な記録における誤りを修正する行為を指します。
特に、登記事項・税額・判決などの法律や行政の分野で使用される用語であるため、日常生活で見聞きすることは少ないと思います。
以上のように「更生」は、「生き返ること」や「立ち直ること」という意味を持ち、人・組織などの再出発や再生、改善することを指し、主に精神的・社会的に好ましくない状態から正常な状態に立ち直ることを表します。
一方「更正」は、「改めて正しくすること」「間違いを改めること」という意味を持ち、文書などの誤りや記載ミスを訂正することを指し、主に税の申告や登記など公的な記録における誤りを修正する行為を表します。
記事の参考文献
- 偏 松村明・三省堂編修所(2019)『大辞林』第四版,三省堂.
- 偏 山田忠雄・柴田武・酒井憲二・倉持保男・上野善道・山田明雄・井島正博・笹原宏之(2011)『新明解国語辞典』第七版,三省堂.
- 編著 北原保雄(2010)『明鏡国語辞典』第二版,大修館書店.
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2025年3月26日).
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2025年3月26日).
- 編 一般社団法人共同通信社 (2022). 『記者ハンドブック : 新聞用字用語集』第14版,共同通信社.
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