「幸運」と「好運」の意味と違い
「幸運」と「好運」は、いずれも「こううん」と読み、「運が良いこと」という似たようなニュアンスを持つ言葉ですが、それぞれの意味と使い方には違いがあるのでしょうか。
本記事ではその「幸運」と「好運」の意味と違いを深堀りし、用例などを通じて、使い分けのポイントがあるのかを解説していきます。
紛らわしい言葉ですが、使い分けることができれば表現の幅が広がりますので、ぜひ参考にしてみてください。
「幸運」

「幸運」は「運が良いこと」「しあわせ」という意味を持ちます。
「幸運」の「幸」は「しあわせ」「さいわい」「運がいい」という意味があり、「運」は「めぐる」「まわる」「うごく」という意味があります。
したがって「幸運」は、「運が良いこと」「しあわせ」という意味になります。
「幸運」は「去年は幸運な出会いがあった」「幸運に恵まれた人生だった」「とても幸運な人だ」のように用いられます。
なお、「幸運」と「好運」はどちらも同じ言葉が類義語となり、その類義語には「果報」「僥倖」「多幸」「利運」などが挙げられます。
「幸運」は「幸」の漢字がついている通り、「幸せな状況や幸せな運命」という意味合いが強い言葉です。
「好運」

「好運」も、「良い運」「めぐりあわせがよいさま」という意味を持ちます。
「好運」の「好」は「よい」「このましい」「すく」という意味があり、「運」は上述の通り「めぐる」「まわる」「うごく」という意味があります。
したがって「好運」は、「良い運」「めぐりあわせがよいさま」という意味になります。
「好運」は「最後に試合勝てたのは好運だった」「好運にもランクインすることができた」「今年は好運な出来事が続いている」のように用いられます。
なお、「幸運」と「好運」は類義語と同様に、同じ言葉が対義語となり、「不運」「悲運」「非運」などが対義語として、挙げられます。
「好運」は、「好」の漢字がついている通り、「良い運命や巡り合わせ」という意味合いが強い言葉です。
以上のように「幸運」は「好運」と比べると、漢字が示す通り「幸せな状況や幸せな運命」という意味合いが強い言葉です。
一方「好運」は「幸運」と比べると、「良い運命や巡り合わせ」という意味合いが強い言葉です。
ただ、ほぼ同じ意味なのでどちらを使うべきか悩むと思いますが、一般的には「幸運」の方が多く使われます。
新聞紙面や放送でも「幸運」を使うように統一されているので、「幸運」を使う方が無難ですが、「幸運」と「好運」は同じ意味と言っていいので、どちらを使っても問題はありません。
記事の参考文献
- 編 山田忠雄、柴田武、酒井憲二、倉持保男、山田明雄、上野善道、井島正博、笹原宏之 (2012)『新明解国語辞典』第七版, 三省堂.
- 著 北原 保雄(2011-2019)『明鏡国語辞典』第二版,大修館書店.
- 編 新村出 (2018,2019)『広辞苑』第七版, 岩波書店.
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2025年3月9日).
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2025年3月9日).
- 編 一般社団法人共同通信社 (2022). 『記者ハンドブック : 新聞用字用語集』第14版,共同通信社.
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