「講和」「講話」の意味と違い

「講和」「講話」の意味と違い

「講和」「講話」の意味と違い

講和」と「講話」は、同じ読み方でも意味が異なる同音異義語です。それぞれの言葉は使われる状況、場面が異なります。どのような違いがあるのでしょうか。

本記事ではその「講和」と「講話」の意味と違いを深掘りし、用例などを通じて、使い分けのポイントについて解説していきます。

紛らわしい言葉ですが、使い分けることができれば、表現の幅が広がります。ぜひ参考にしてみてください。

「講和」

「講和」

講和」は、「交戦国が互いに取り決めを行い、戦争をやめて平和な状態に戻ること」という意味をもちます。

講和」の類義語としては、「平和」「和戦」「和平」などが挙げられます。

講和」の「講」は、「説き明かす」「論じる」「和解する」の意味を持ち、「和」は「やわらぐ」「合わせる」「争いごとがなく穏やかにまとまる」「仲良くする」という意味を持ちます。

したがって「講和」は、「話し合いや和解によって仲良くすること」すなわち「交戦国が互いに取り決めを行い、戦争をやめて平和な状態に戻ること」という意味になります。

「戦争を終結させるため、講和条約を結ぶ」「敵国との講和交渉を再開する」「日本が結んだ講和について学ぶ」のように使われます。

講和」は、これまで続いていた戦争や紛争を終結させるため、当事者同士が協議を重ね、協定や合意を結ぶことを指します。

講和」のプロセスは、平和を回復することを目的とした交渉が行われ、合意事項が盛り込まれた条約に調印するのが一般的です。

なお「講和」は「媾和」とも書きます。「媾」は、「まじわる」「仲直りする」という意味を持ちます。

「講話」

「講話」

講話」は、「分かりやすく、説き聞かせること」「ある題目について、大勢の人に分かりやすく、説明して、聞かせること」という意味を持ちます。

講話」の類義語としては、「御談義」「講演」「説教」「説法」などがあります。

講話」の「講」は、上述のとおり「説き明かす」「論じる」の意味を持ち、「話」は「話す」「語る」「ものがたり」という意味を持ちます。

したがって「講話」は、「説き明かし、話すこと」すなわち「分かりやすく、説き聞かせること」「ある題目について、大勢の人に分かりやすく、説明して、聞かせること」という意味になります。

「講師を招き、防災の講話を催す」「健康についての講話を聞く」「校長先生の講話は面白いが、時に長い」のように使われます。

講話」は、あるテーマ、例えば医療の分野であれば医師、道徳については教育者など、その道に詳しい専門家が、多くの人に分かりやすく解説しながら、話すことを指します。

教育や啓発、指導を目的とした話題が多く、その場にいるすべての人が納得できるように、丁寧に話を進めていきます。

以上のように「講和」は、戦争をやめて、平和な状態に戻ることを意味する言葉です。

講話」は、大勢の人に分かりやすく、説明して聞かせることを意味する言葉で、何らかのテーマについて、人々に理解してもらうために話をします。

記事の参考文献

  • 偏 松村明・三省堂編修所(2019)『大辞林』第四版,三省堂.
  • 偏 山田忠雄・柴田武・酒井憲二・倉持保男・上野善道・山田明雄・井島正博・笹原宏之(2011)『新明解国語辞典』第七版,三省堂.
  • 編著 北原保雄(2010)『明鏡国語辞典』第二版,大修館書店.
  • 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年12月10日).
  • 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年12月10日).
  • 編  一般社団法人共同通信社  (2022). 『記者ハンドブック : 新聞用字用語集』第14版,共同通信社.
北澤篤史サイト運営者
1984年(昭和59年)、大阪府生まれ。言葉への関心が高じ、「ことわざ」「漢字」「四字熟語」をテーマに複数のウェブサイトを立ち上げる。これらのサイトは、小中学校の教材として利用されるほか、単語カードやタイピングゲームなど多様な形で活用されている。著書に『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社)、『マンガでわかる すごい!ことわざ図鑑〈試験に出る〉』(講談社)がある。