「明快」と「明解」の意味と違い

「明快」と「明解」の意味と違い

「明快」と「明解」の意味と違い

明快」と「明解」は、同じ読み方でも意味が異なる同音異義語です。

そのニュアンスや使い方には微妙な違いがあるので、混同しないようにそれぞれの意味をしっかりと把握しましょう。

本記事ではその「明快」と「明解」の意味と違いを深掘りし、用例などを通じて、使い分けのポイントについて解説していきます。

紛らわしい言葉ですが、使い分けることができれば、表現の幅が広がりますので、ぜひ参考にしてみてください。

「明快」

「明快」とは

 

明快」は「筋道がはっきりしていてわかりやすいこと」「筋道が明らかですっきりしていること」という意味を持ちます。

明快」の「明」は「あきらか」「あきらかにする」「あかるい」という意味があり、「快」は「こころよい」「気持ちがよい」「すみやかに」という意味があります。

したがって「明快」は、漢字だけで考えると、「あきらかでこころよい」という意味になります。

しかし実際は、「筋道がはっきりしていてわかりやすいこと」という意味で使われるので、若干の相違がある点に注意が必要です。

明快」は「明快な解説でとてもわかりやすい」「科学者による明快な論理が展開された」「先生は生徒からの質問に明快に答えた」のように用いられます。

このように、「明快」は、理論や説明の筋道がはっきりしている様子を表す言葉で、人の考え方や説明の仕方のわかりやすさを表現するときに用いられることが多いです。

また、「明快」は「複雑ではなくわかりやすいさま」という意味の「単純明快」や、「議論や論文・文章などの筋道がしっかり通っていてわかりやすいこと」という意味の「論旨明快」といった四字熟語で使われることも多いです。

「明解」

「明解」とは

明解」は、「はっきりとわかりやすく解釈すること」「明白にわかること」という意味を持ちます。

明解」の「明」は上述の通り「あきらか」「あきらかにする」「あかるい」という意味があり、「解」は「ほどく」「わかる」「ときあかす」という意味があります。

したがって「明解」は、「あきらかにときあかす」すなわち「はっきりとわかりやすく解釈すること」という意味になります。

明解」は「明解な注釈が必要だ」「とても明解な説明だった」のように用いられます。

このように「明解」は、はっきりした解釈を指す言葉で、いちいち説明されなくても、その意味するところがはっきりわかるというときに用いられ、例えば「明解〇〇辞典」などのように、物の題名に冠することが多いです。

なお、「明快」と「明解」は似た意味をもつ言葉ですが、ビジネスや日常的な場面で「明解」が使われることは少なく、一般的には「明快」の方が多く使われ、馴染み深い言葉です。

以上のように「明快」は、「筋道がはっきりしていてわかりやすいこと」という意味があり、人の考え方や説明の仕方のわかりやすさを表現するときに用いられることが多いです。

一方「明解」は「はっきりとわかりやすく解釈すること」という意味があり、いちいち説明されなくても、その意味するところがはっきりわかるというときに用いられます。

記事の参考文献

  • 編 山田忠雄、柴田武、酒井憲二、倉持保男、山田明雄、上野善道、井島正博、笹原宏之 (2012)『新明解国語辞典』第七版, 三省堂.
  • 著 北原 保雄(2011-2019)『明鏡国語辞典』第二版,大修館書店.
  • 編 新村出 (2018,2019)『広辞苑』第七版, 岩波書店.
  • 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2025年2月27日).
  • 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2025年2月27日).
  • 編  一般社団法人共同通信社  (2022). 『記者ハンドブック : 新聞用字用語集』第14版,共同通信社.



北澤篤史サイト責任者

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