

「礼遇」と「冷遇」の意味と違い
「礼遇」と「冷遇」は、同じ読み方でも意味が異なる同音異義語です。
そのニュアンスや使い方には微妙な違いがあるので、混同しないようにそれぞれの意味をしっかりと把握しましょう。
本記事ではその「礼遇」と「冷遇」の意味と違いを深掘りし、用例などを通じて、使い分けのポイントについて解説していきます。
紛らわしい言葉ですが、使い分けることができれば、表現の幅が広がりますので、ぜひ参考にしてみてください。

「礼遇」とは?マンガで使い方をわかりやすく解説

「礼遇」は「礼儀を尽くして厚くもてなすこと」「礼を厚くして待遇すること」という意味を持ちます。
「礼遇」の「礼」は「うやまう」「敬意をはらう」「感謝の気持ち」という意味があり、「遇」は「もてなす」「あつかう」という意味があります。
したがって「礼遇」は、「敬意をはらってもてなす」すなわち「礼儀を尽くして厚くもてなすこと」という意味になります。

- 「あの人は国賓として礼遇された」
- 「彼を賓客として礼遇しましょう」
- 「彼は長年の功績が認められ、特別な礼遇を受けた」
のように用いられ、「礼遇」の類義語としては、「接待」「厚遇」「応接」などが挙げられます。
このように、「礼遇」は、相手を手厚くもてなすことを表す言葉で、相手に特別な待遇を感じてもらいたい場面で使われることが多いです。

「冷遇」とは?マンガで使い方をわかりやすく解説

「冷遇」は、「冷淡な態度であしらうこと」「人を冷淡な態度で扱うこと」という意味を持ちます。
「冷遇」の「冷」は「心がつめたい」「情がうすい」という意味があり、「遇」は上述の通り「もてなす」「あつかう」という意味があります。
したがって「冷遇」は、「心をつめたくしてあつかう」すなわち「人を冷淡な態度で扱うこと」という意味になります。

- 「あるトラブルが原因で、職場で冷遇されている」
- 「彼には酷く冷遇された」
- 「彼のようにここまで世間から冷遇された芸能人は少ない」
のように用いられ、「冷遇」の類義語としては、「粗略」「薄遇」「差別」などが挙げられます。

「礼遇」と「冷遇」の使い分け
「礼遇」は、「礼儀を尽くして厚くもてなすこと」という意味があり、相手に特別な待遇を感じてもらいたい場面で使われることが多いです。
一方「冷遇」は「人を冷淡な態度で扱うこと」という意味があり、「正当な理由がないのに冷たく扱われた」というような理不尽な目に合った場面で使われることが多いです。
理解度チェック!「礼遇」「冷遇」のクイズ問題

Q1
「彼は長年の功績が認められ、特別な冷遇を受けた。」という使い方は正しい?
A1
間違い。正解は「彼は長年の功績が認められ、特別な礼遇を受けた。」です。
Q2
「〇〇」は、「礼儀を尽くして厚くもてなすこと」という意味の言葉です。「〇〇」に入る言葉は「礼遇」と「冷遇」どちら?
A2
礼遇
Q3
「あの人は国賓として礼遇された」という使い方は正しい?
A3
正しい
Q4
「〇〇」の類義語としては、「粗略」「薄遇」「差別」などが挙げられます。「〇〇」に共通して入る言葉は「礼遇」と「冷遇」どちら?
A4
冷遇
Q5
「あるトラブルが原因で、職場で礼遇されている」という使い方は正しい?
A5
間違い。正解は「あるトラブルが原因で、職場で冷遇されている」です。

記事の参考文献
- 編 山田忠雄、柴田武、酒井憲二、倉持保男、山田明雄、上野善道、井島正博、笹原宏之 (2012)『新明解国語辞典』第七版, 三省堂.
- 著 北原 保雄(2011-2019)『明鏡国語辞典』第二版,大修館書店.
- 編 新村出 (2018,2019)『広辞苑』第七版, 岩波書店.
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2025年2月19日).
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2025年2月19日).
- 編 一般社団法人共同通信社 (2022). 『記者ハンドブック : 新聞用字用語集』第14版,共同通信社.