「再開」「再会」「際会」の意味と違い

「再開」「再会」「際会」の意味と違い

「再開」「再会」「際会」の意味と違い

「再開」「再会」「際会」はすべて「さいかい」と読みますが、ニュアンスが異なる言葉になります。いずれも漠然とした意味合いは知っているものの、詳しい意味や使い分けを説明するとなると、意外に難しいことに気づきます。これらの言葉にはどのような違いがあるのでしょうか。

本記事では「再開」「再会」「際会」の違いについて、深掘りしていきます。紛らわしい言葉ですが、使い分けることができると表現の幅が広がります。ぜひ参考にしてみてください。

「再開」

再開

「再開」は「やめていた物事を再び始めること」「再び始まること」という意味を持ちます。

「雨が止み次第、試合が再開される」「工事が再開された」「店が営業を再開する」などのように使われます。

「再開」の「再」は「ふたたび」と読み、「ふたたび」「もう一度」という意味を持ちます。「開」は「ひらく」と読み、「はじまる」「はじめる」という意味を持ちます。

したがって「再開」は「もう一度はじめる」という意味になります。

「再開」は、いったんやめていた物事を再び始めることを意味し、再び作業や活動を始める場合に使われます。

同じ「再」という字を使っていますが、下述する「再会」は意味が異なる言葉になります。

「再会」

再会

「再会」は「別れたものが久しぶりに会うこと」「長く別れ別れになっていた人同士が、再びめぐり会うこと」という意味を持ちます。

「30年ぶりに友人と再会した」「駅で偶然の再会を果たした」などのように使われます。

「再会」の「再」は上述したとおり、「ふたたび」と読み、「ふたたび」「もう一度」という意味を持ちます。「会」は「あう」と読み、「あう」「であう」という意味を持ちます。

したがって「再会」は「ふたたびあう」「もう一度出会う」という意味になります。

「再会」は、一度別れた人ともう一度会うことを意味します。人との再びの出会いの場面で使われます。

「再会」と、「出会う」「遭遇する」という点で共通していますが、下述する「際会」はニュアンスが異なります。

「際会」

際会

「際会」は「重要な事態にたまたま出会うこと」「重大な時機にたまたま出会うこと」という意味を持ちます。類語に「遭遇」「逢着」が挙げられます。

「歴史的な事件に際会する」「千載一遇の好機に際会する」などのように使われます。

「際会」の「際」は「まじわる」と読み、「まじわる」「まじわり」「であい」という意味を持ちます。「会」は上述したとおり、「会」は「あう」と読み、「あう」「であう」という意味を持ちます。

したがって「際会」は「出会うこと」という意味になります。

「際会」は、特定の出来事や状況に巡り合うことや、重要な場面に遭遇することを意味します。特別な機会や重要な出来事に出会うことを表現しています。

以上のように、「再開」「再会」「際会」はすべて「さいかい」と読みますが、意味が異なります。

中断した物事をもう一度始めることを「再開」、一度別れた人と再び会うことを「再会」、運命的な出会いや特別な出来事に巡り合うことを「際会」と使い分けが可能になっています。

記事の参考文献

  • 編 藤堂 明保・松本 昭・竹田 晃・加納 喜光・ (2001)『漢字源』改訂新版, Gakken.
  • 公益財団法人日本漢字能力検定協会.『漢字ペディア』.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年11月7日).
  • 編 新村 出 (2008)『広辞苑』第六版, 岩波書店.
  • 編 沖森 卓也・中村 幸弘(2015).『ベネッセ表現読解国語辞典』
  • 編  一般社団法人共同通信社  (2022). 『記者ハンドブック : 新聞用字用語集』第14版,共同通信社.
  • 小学館.『デジタル大辞泉』. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年11月7日).
北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)