「最小」「最少」の意味と違い
字面が似ており、読みも同じ言葉に「最小」と「最少」があります。会話をするシーンでは、前後の文脈から言葉の意味を推測するので不便はありません。しかし文書を書く際に、どちらを使う方が適切なのか、判断に迷ったことがあるのではないでしょうか。
本記事では「最小」「最少」の意味と違い、用例などを深掘りしていきます。同じ「さいしょう」という読み方ですが、意味と使い方が異なるため、文脈に応じて使い分けることが重要です。ぜひ参考にしてみてください。
「最小」
「最小」は「最も小さいこと」「いちばん小さいこと」を意味する言葉です。「最小限の費用で済ませる」「最小単位」「この箱は最小サイズです」などのように使われます。対義語は「最大」となります。
「最小」の「最」は訓読みで「もっとも」と読み、言葉どおり「もっとも」「いちばん」という意味を持ちます。「小」は「ちいさい」という意味を持ちます。
「最小」は、大きさ・規模が一番小さいことを指します。主に物の大きさや範囲について使われます。サイズや面積、量などに対して使われることが一般的です。
副詞的に用いることもある「最小限度」という言葉がありますが、「最小限」が正しい活用となります。「最少限」と誤用されがちなので、注意しましょう。
「最少」
「最少」は「最も少ないこと」「もっとも年下であること」「一番若いこと」を意味する言葉です。「生活費を最少に抑えたい」「最少人数で実施する」「この方法は最少のリスクで成功する」などのように使われます。対義語は「最多」となります。
「最少」の「最」は上述したとおり、訓読みで「もっとも」と読み、言葉どおり「もっとも」「いちばん」という意味を持ちます。「少」は「すくない」「すこし」と読み、「すくない」「すこし」「わずか」「若い」「おさない」という意味を持ちます。
「最少」は、数や量が一番少ないことを指します。物や数値の量が最も少ない場合に使われ、特に数量的な意味での「少なさ」を強調する際に使います。
以上のように、「最小」と「最少」は似た意味を持ちますが、使用する文脈や対象が異なります。「最小」は主にサイズや規模に関して使用され、「最少」は主に数量に関して使用されます。
記事の参考文献
- 編 藤堂 明保・松本 昭・竹田 晃・加納 喜光・ (2001)『漢字源』改訂新版, Gakken.
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.『漢字ペディア』.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年10月6日).
- 編 新村 出 (2008)『広辞苑』第六版, 岩波書店.
- 編 沖森 卓也・中村 幸弘(2015).『ベネッセ表現読解国語辞典』
- 編 一般社団法人共同通信社 (2022). 『記者ハンドブック : 新聞用字用語集』第14版,共同通信社.
- 小学館.『デジタル大辞泉』. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年10月6日).
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