「賞品」「商品」の意味と違い
「賞品」と「商品」は、同じ読み方でも意味が異なる同音異義語です。日常生活やビジネスシーンなどで多く使われていますが、どのような違いがあるのでしょうか。
本記事ではその「賞品」と「商品」の意味と違いを深掘りし、用例などを通じて、使い分けのポイントについて解説していきます。
紛らわしい言葉ですが、使い分けることができれば、表現の幅が広がります。ぜひ参考にしてみてください。
「賞品」
「賞品」は、「賞として与えられる品物」「競技などで成績の良かった人や懸賞に当たった人などに与えられる品物」という意味を持ちます。
「賞品」の類義語としては、「恩賞」「賞金」「奨金」などが挙げられます。
「賞品」の「賞」は、「ほうび」「功績・善行などをほめる」「めでる」の意味を持ち、「品」は「しな」「しなもの」「いろいろな物」という意味を持ちます。
したがって「賞品」は、「褒美や功績として与えられる品物」すなわち「成績の良かった人などに与えられる品物」という意味になります。
「今大会の優勝賞品は、腕時計です」「当選者の発表は、賞品の発送をもって行います」「抽選で豪華賞品をプレゼントします」のように使われます。
「賞品」は、競技やイベントにおいて優秀な成績を収めた人やチームに贈られる品物を指し、基本的に無償で提供され、お金を出しても手に入れることができないものです。
成績に関係なく運がいいと、くじや抽選、懸賞などで「賞品」を獲得できます。また、大会などを盛り上げるために「ブービー賞」や「特別賞」を設ける場合もあり、成績が下位の人にもチャンスが巡ってきます。
「商品」
「商品」は「売るために作られたもの」「売買の目的で作られた(陳列された)物」という意味を持ちます。
「商品」の類義語としては、「売り物」「商い物」「売品」などが挙げられます。
「商品」の「商」は、「あきなう」「あきない」「あきんど」の意味を持ち、「品」は上述のとおり「しなもの」という意味を持ちます。
したがって「商品」は、「商取引されている品物」すなわち「売買の目的で作られた(陳列された)物」という意味になります。
「店頭には様々な商品が陳列されている」「新商品の発売と同時に、キャンペーンを催す」「商品を改良する」のように使われます。
「商品」は、普段店頭で売られている食料品や衣類、家具・家電などの品物に限らず、金融や保険、旅行などのサービスも含まれます。
通常、対価を支払って購入できる品物やサービスなどを指し、適正な価格が設定されていますが、時には人気のある商品が、市場で品薄になり、異常ともいえるほどの高値で取引されることもあります。
なお「売ること」を目的とせず、値段が付いていない物、例えば自家消費の野菜や果物や、ご近所へのお裾分けなどは「商品」に当たりません。
以上のように「賞品」は、主に競技などで成績の良かった人や懸賞などで与えられる品物を示し、「褒美として与えられるもの」です。お金を出しても手に入れることができないものです。
一方「商品」は、「売るための品物やサービスのこと」を示し、価格が設定されています。お金を支払って購入できる品物です。
記事の参考文献
- 偏 松村明・三省堂編修所(2019)『大辞林』第四版,三省堂.
- 偏 山田忠雄・柴田武・酒井憲二・倉持保男・上野善道・山田明雄・井島正博・笹原宏之(2011)『新明解国語辞典』第七版,三省堂.
- 編著 北原保雄(2010)『明鏡国語辞典』第二版,大修館書店.
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年11月20日).
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年11月20日).
- 編 一般社団法人共同通信社 (2022). 『記者ハンドブック : 新聞用字用語集』第14版,共同通信社.
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