「主催」「主宰」の意味と違い
「主催」と「主宰」。これらは同じ読み方でも意味が異なる「同音異義語」です。他にも「創造・想像」や「意義・異議」などがあります。これらは意味を混同しやすく、文章を書く際に、どちらを使うべきか頭を悩ませた経験があるかもしれません。
本記事では、「主催」と「主宰」の意味や使い分けについて解説していきます。違いを理解し、ぜひ自信を持って使い分けられるようになりましょう。
「主催」
「主催」は「中心となってあることを催すこと」を指す言葉です。「このコンサートは市が主催している」「週末に会社主催のパーティーがある」などのように使われます。
「主催」の「主」は「あるじ」「つかさどる」と読み、「あるじ」「かしらとなる人」「中心になるもの」「つかさどる」「中心となってはたらくこと」という意味を持ちます。「催」は「もよおす」と読み、「もよおす」「会合や行事などを行う」という意味を持ちます。
「主催」は、イベントや事業などを企画して開催することを指します。例えば、スポーツ大会、講演会、コンサートなどのイベントを組織や個人が主導して実行する場合に使います。イベントの企画・運営に重点が置かれています。
「主宰」
「主宰」は「人々の上に立ち、中心となって物事をとりはからうこと」を指す言葉です。「彼女は文芸サークルを主宰している」「有名な美術家がその会を主宰している」などのように使われます。
「主宰」の「主」は上述したとおり「あるじ」「つかさどる」と読み、「あるじ」「かしらとなる人」「中心になるもの」「つかさどる」「中心となってはたらくこと」という意味を持ちます。「宰」は「つかさどる」と読み、「つかさどる」「仕事をとりしきる」「つかさどる人」という意味を持ちます。
「主宰」は、団体や組織、特定の活動を指導・統括することを意味します。文学や芸術、研究グループなどの集団を率いるリーダーや、特定の活動の方向性を決める立場にある人物が「主宰者」に当たります。企画や運営に加えて、団体の活動を統括・指導する意味合いが強くなります。
以上のように「主催」は「中心となって行事や会合を企画し、開催すること」、「主宰」は「中心となって物事を取り仕切ること、統括すること」という意味になります。文脈に合わせて使い分けることが重要です。
記事の参考文献
- 編 藤堂 明保・松本 昭・竹田 晃・加納 喜光・ (2001)『漢字源』改訂新版, Gakken.
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.『漢字ペディア』.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年10月11日).
- 編 新村 出 (2008)『広辞苑』第六版, 岩波書店.
- 編 沖森 卓也・中村 幸弘(2015).『ベネッセ表現読解国語辞典』
- 編 一般社団法人共同通信社 (2022). 『記者ハンドブック : 新聞用字用語集』第14版,共同通信社.
- 小学館.『デジタル大辞泉』. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年10月11日).
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