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「収集」と「収拾」の意味と違い

「収集」と「収拾」の意味と違い

「収集」と「収拾」の意味と違い

収集」と「収拾」は、同じ読み方でも意味が異なる同音異義語です。

そのニュアンスや使い方には微妙な違いがあるので、混同しないようにそれぞれの意味をしっかりと把握しましょう。

本記事ではその「収集」と「収拾」の意味と違いを深掘りし、用例などを通じて、使い分けのポイントについて解説していきます。

紛らわしい言葉ですが、使い分けることができれば、表現の幅が広がりますので、ぜひ参考にしてみてください。

「収集」

「収集」とは

収集」は「あちこちから取り集めること」「物を一ヵ所に集めること」という意味を持ちます。

収集」の「収」は「おさめる」「あつめる」「まとめる」という意味があり、「集」は「あつめる」「あつまる」「つどう」という意味があります。

したがって「収集」は、「あつめてまとめること」すなわち「あちこちから取り集めること」という意味になります。

収集」は「業者がごみを収集しにきた」「事前の情報収集がとても大切だ」「彼はデータ収集が得意だ」のように用いられ、「収集」の類義語には「集合」「採集」「聚合」などが挙げられます。

このように、「収集」は、「物を寄せ集めること」を指す言葉で、いろいろなものを取り寄せて手元にとどめることを表す言葉です。

「ゴミ収集」など業務上必要な物を集める時に使えることができ、また「フィギュアの収集」や「データ収集」など研究や趣味のために物を集める時にも使うことができます。

「収拾」

「収拾」とは

収拾」は、「混乱した物事などをとりまとめること」「混乱した状態をうまく収めること」という意味を持ちます。

収拾」の「収」は上述の通り「おさめる」「あつめる」「まとめる」という意味があり、「拾」は「ひろう」「あつめる」「ひろいあげる」という意味があります。

したがって「収拾」は、「おさめてまとめる」すなわち「混乱した状態をうまく収めること」という意味になります。

収拾」は「事態を収拾させるための策が必要だ」「ここまでくるともう事態の収拾がつかない」「トラブルの収拾が早急に求められる」のように用いられ、「収拾」の類義語には「整理」「制御」「対処」などが挙げられます。

このように「収拾」は、「混乱した状態を整理すること」を指す言葉で、混乱や問題を解決して落ち着かせる時に用いられます。

例文のように何か問題が発生した時や緊急時に使われるので、緊迫した状況を表すときに用いられることが多いです。

以上のように「収集」は、「あちこちから取り集めること」という意味があり、いろいろなものを取り寄せて手元にとどめることを表す言葉です。

一方「収拾」は「混乱した状態をうまく収めること」という意味があり、混乱や問題を解決して落ち着かせる時に用いられます。

記事の参考文献

  • 編 山田忠雄、柴田武、酒井憲二、倉持保男、山田明雄、上野善道、井島正博、笹原宏之 (2012)『新明解国語辞典』第七版, 三省堂.
  • 著 北原 保雄(2011-2019)『明鏡国語辞典』第二版,大修館書店.
  • 編 新村出 (2018,2019)『広辞苑』第七版, 岩波書店.
  • 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2025年4月6日).
  • 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2025年4月6日).
  • 編  一般社団法人共同通信社  (2022). 『記者ハンドブック : 新聞用字用語集』第14版,共同通信社.



北澤篤史サイト責任者

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