「創意」「総意」の意味と違い

「創意」「総意」の意味と違い

「創意」「総意」の意味と違い

「創意」と「総意」。これらは同じ読み方でも意味が異なる「同音異義語」です。他にも「創造・想像」や「意義・異議」などがあります。これらは意味を混同しやすく、文章を書く際に、どちらを使うべきか頭を悩ませた経験があるかもしれません。

本記事では、「創意」と「総意」の意味や使い分けについて解説していきます。違いを理解し、ぜひ自信を持って使い分けられるようになりましょう。

「創意」

創意

「創意」は「これまで考えつかなかった考え」「新しい思いつき」「独創的な考え」を指す言葉です。「創意工夫で問題を解決する」「この文学作品には著者の創意が感じられる」「社員の創意をいかした製品」などのように使われます。

「創意」の「創」は訓読みで「つくる」「はじめる」と読み、「初めて作り出す」「はじめる」という意味を持ちます。「意」は「こころ」「きもち」「思い」「考え」という意味を持ちます。したがって「創意」は「初めて作り出した考え」という意味になります。

「創意」は新しいアイデアや発想を意味し、創造的な工夫・考えを指します。何かを新しく生み出したり工夫したりするための発想を表し、個人や組織の革新性や独創性を表現する際に使用される言葉になります。一方、「総意」は同じ読みですがニュアンスが異なります。

「総意」

総意

「総意」は「組織全員・全体の意思や意見」を指す言葉です。「総意をくむ」「会議の結果、総意として最初の案を採用する」「国民の総意を反映する」などのように使われます。

「総意」の「総」は「すべての」「そろって」という意味を持ちます。「意」は上述したとおり、「こころ」「きもち」「思い」「考え」という意味を持ちます。したがって「総意」は「すべての(そろった)考え」という意味になります。

「総意」は集団・組織のメンバー全員の共通した意見・考え・合意を示すものです。代表意見や意思決定をする場面で、多くの人が同じ意見や考えに賛同している際に使われます。

以上のとおり、「創意」「総意」はどちらも考えに関する言葉になりますが、ニュアンスが異なります。新しい・独創的な考えに重点を置く場合「創意」、集団全体の一致した意見に重点を置く場合は「総意」と使い分けることが可能です。文脈にあった言葉を適切に使い分けることが重要です。

記事の参考文献

  • 編 藤堂 明保・松本 昭・竹田 晃・加納 喜光・ (2001)『漢字源』改訂新版, Gakken.
  • 公益財団法人日本漢字能力検定協会.『漢字ペディア』.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年9月22日).
  • 編 新村 出 (2008)『広辞苑』第六版, 岩波書店.
  • 編 沖森 卓也・中村 幸弘(2015).『ベネッセ表現読解国語辞典』
  • 編  一般社団法人共同通信社  (2022). 『記者ハンドブック : 新聞用字用語集』第14版,共同通信社.
  • 小学館.『デジタル大辞泉』. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年9月22日).
北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)