「想像」「創造」の意味と違い
「想像」「創造」は、日常のさまざまなシーンで登場する同音異義語です。しかし、いずれも漠然とした意味合いは知っているものの、詳しい意味や使い分けを説明するとなると、意外に難しいことに気づきます。これらの言葉にはどのような違いがあるのでしょうか。
本記事では「想像」「創造」の意味や違いについて、例文を交えながら詳しく解説していきます。紛らわしい言葉ですが、使い分けることができると表現の幅が広がります。ぜひ参考にしてみてください。
「想像」
「想像」は「実際に経験していないことについて、心に浮かべること」「実在していないものを思い浮かべること」を意味します。「映画の結末を想像する」「未来を想像する」などのように使われます。
「想像」の「想」は訓読みで「おもう」と読み、「心に思い浮かべる」「おもう」「おもい」「考え」という意味を持ちます。「像」は「かたち」「かたちどる」と読み、「思い描くイメージ」という意味を持ちます。したがって「想像」は「心に思い浮かべたイメージ」という意味になります。
「想像」は、物理的に何かをつくり出すわけではなく、心の中でイメージをつくる行為を指します。主に頭の中で考えたり、イメージを描くことに使います。「創造」は、頭の中で何かを生み出すという点で共通していますが過程や結果が異なります。
「創造」
「創造」は「それまでなかったものを新たにつくること」「新しいものを初めてつくること」を意味します。「新しい乗り物を創造する」「アーティストが新しい作品を創造する」などのように使われます。
「創造」の「創」は訓読みで「つくる」と読み、「はじめてつくりだす」「つくる」という意味を持ちます。「造」も「つくる」と読み、「物をこしらえる」「つくる」という意味を持ちます。したがって「創造」は「はじめてつくる」という意味を持ちます。
「創造」は芸術作品、発明品などの実際に形のあるものや、新しい概念、アイディアをつくり出すことに対して使われます。「想像」は思考のプロセスであったに対し、「創造」はその思考を実際の形や行動に移すプロセスと結果を指します。
このように「想像」「創造」は、どちらも「頭の中で何かを生み出すこと」を表す言葉ですが、ニュアンスが若干異なります。「頭の中に思い描いてみること」は「想像」、「新しくつくり出すこと」は「創造」と使い分けることができます。
記事の参考文献
- 編 藤堂 明保・松本 昭・竹田 晃・加納 喜光・ (2001)『漢字源』改訂新版, Gakken.
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.『漢字ペディア』.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年9月20日).
- 編 新村 出 (2008)『広辞苑』第六版, 岩波書店.
- 編 沖森 卓也・中村 幸弘(2015).『ベネッセ表現読解国語辞典』
- 編 一般社団法人共同通信社 (2022). 『記者ハンドブック : 新聞用字用語集』第14版,共同通信社.
- 小学館.『デジタル大辞泉』. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年9月20日).
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