「得意」「 特異」の意味と違い

「得意」「特異」の意味と違い

「得意」「特異」の意味と違い

「得意」と「特異」は同じ読み方で混同しやすい言葉ですが、この2つには明確な違いがあります。日常の様々なシーンでよく使う表現なので、正しい意味を確認しておきましょう。

本記事では「得意」「特異」のニュアンスの違いや使い分け方について解説していきます。 ぜひマスターし、自信を持って使えるようになりましょう。

「得意」

得意

「得意」は「望みどおりになって満足すること」「誇らしげなこと」「最も熟練していること、最も優れていること」「親友」「ひいきにしてくれること、ひいきにしてくれる人」という意味があります。

「彼はプレゼンが得意だ」「得意の絶頂」「得意な顔をした」「お得意先」などのように使われます。

「得意」の「得」は訓読みで「える」「うる」と読み、「心にかなう」「わかる」「手に入れる」「もうけ」などの意味を持ちます。「意」は「こころ」「おもう」と読み、「こころ」「きもち」「思い」「考え」という意味を持ちます。

したがって「得意」は「思いどおりになる、心のままになる」すなわち「望みどおりになって満足すること」という意味になります。

「得意」は特に、自分がよくできること、自信があることを指す言葉として使われることが多くあります。また、ある分野で他の人よりも優れていることや、成果を上げたときに感じる満足感も指します。

一方、「特異」は同じ「とくい」でも意味が異なる言葉になります。

「特異」

特異

「特異」は「他のものと非常に異なっていること」という意味があります。

「彼の行動は特異だ」「彼女は特異な才能を持つ」「この地域には特異な気候がある」などのように使われます。

「特異」の「特」は「とりわけ」と読み、「とくに」「とりわけ」「抜きんでる」という意味を持ちます。「異」は「ことなる」と読み、「ことなる」「ことにする」「別の」「普通と違う」という意味を持ちます。

したがって「特異」は「とりわけことなる」「とりわけ普通と違う」という意味になります。

「特異」は、普通とは違って際立っていることや、特徴が非常に異なることを意味します。他のものと比べて、特に異なった性質や特徴を持っていることを指します。

以上のように、「得意」「特異」は意味が読みが同じでも意味が異なる言葉になります。主に、自分がよくできること、自信があることを「得意」、他と異なる特別な性質を持つことを「特異」と使い分けることが可能です。

記事の参考文献

  • 編 藤堂 明保・松本 昭・竹田 晃・加納 喜光・ (2001)『漢字源』改訂新版, Gakken.
  • 公益財団法人日本漢字能力検定協会.『漢字ペディア』.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2024年10月26日).
  • 編 新村 出 (2008)『広辞苑』第六版, 岩波書店.
  • 編 沖森 卓也・中村 幸弘(2015).『ベネッセ表現読解国語辞典』
  • 編  一般社団法人共同通信社  (2022). 『記者ハンドブック : 新聞用字用語集』第14版,共同通信社.
  • 小学館.『デジタル大辞泉』. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2024年10月26日).
北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)