「用量」と「容量」の意味と違い
「用量」と「容量」は、同じ読み方でも意味が異なる同音異義語です。
そのニュアンスや使い方には微妙な違いがあるので、混同しないようにそれぞれの意味をしっかりと把握しましょう。
本記事ではその「用量」と「容量」の意味と違いを深掘りし、用例などを通じて、使い分けのポイントについて解説していきます。
紛らわしい言葉ですが、使い分けることができれば、表現の幅が広がりますので、ぜひ参考にしてみてください。
「用量」

「用量」は「用いるべき量」「使用するべき量」という意味を持ちます。
「用量」の「用」は「もちいる」「つかう」「役立てる」という意味があり、「量」は「かさ」「容積」という意味があります。
したがって「用量」は、「もちいるかさ」すなわち「用いるべき量」という意味になります。
「用量」は「薬一回分の用量は守りましょう」「医薬品の用法・用量を良く確認してください」「この薬の1回分の用量は2粒です」のように用いられます。
このように、「用量」は、その時に使用するべき量を表す言葉で、主に使う量にしっかりと決まりがある医薬品・薬剤に対して使われます。
また、「用量」は「薬に含まれている特定の成分量」の多さや少なさを表すために、「低用量」「中用量」「高用量」といった言葉で使われることもあります。
「容量」

「容量」は、「器物の中に受け入れられる分量」「入れ物の中に入れることができる分量」という意味を持ちます。
「容量」の「容」は「いれる」「なかみ」「かたち」という意味があり、「量」は上述の通り「かさ」「容積」という意味があります。
したがって「容量」は、「なかみのかさ」すなわち「入れ物の中に入れることができる分量」という意味になります。
「容量」は「タンクの容量にはまだ余裕がありそうだ」「燃料タンクの容量が限界に近い」「小容量の商品は持ち運びに便利だ」のように用いられ、「容量」の類義語には「定員」「容積」「体積」などが挙げられます。
「容量」は、容器の容積を表す言葉で、その容器の対象にはタンクやペットボトルといった液体を入れる物だけでなく、ハードディスクやUSBメモリといったデジタルデータも含まれます。
以上のように「用量」は、「用いるべき量」という意味があり、主に使う量にしっかりと決まりがある医薬品・薬剤に対して使われます。
一方「容量」は「入れ物の中に入れることができる分量」という意味があり、タンクやペットボトルといった液体を入れる物だけでなく、ハードディスクやUSBメモリといったデジタルデータなど様々な物に対して使われます。
記事の参考文献
- 編 山田忠雄、柴田武、酒井憲二、倉持保男、山田明雄、上野善道、井島正博、笹原宏之 (2012)『新明解国語辞典』第七版, 三省堂.
- 著 北原 保雄(2011-2019)『明鏡国語辞典』第二版,大修館書店.
- 編 新村出 (2018,2019)『広辞苑』第七版, 岩波書店.
- 小学館.「デジタル大辞泉」. <https://dictionary.goo.ne.jp/jn/>(参照日2025年3月3日).
- 公益財団法人日本漢字能力検定協会.「漢字ペディア」.<https://www.kanjipedia.jp/>(参照日2025年3月3日).
- 編 一般社団法人共同通信社 (2022). 『記者ハンドブック : 新聞用字用語集』第14版,共同通信社.
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